抗リン脂質抗体症候群の診断基準
2006年改訂の抗リン脂質抗体症候群の診断基準によると、
妊娠に関する異常としては下記のようなものがあります。
【臨床所見】
- 3回以上の連続した原因不明の妊娠10週未満の流産
- 1回以上の胎児形態異常のない妊娠10週以上の原因不明子宮内胎児死亡
- 1回以上の新生児形態異常のない妊娠34週未満の重症妊娠高血圧腎症,
子癇 または胎盤機能不全に関連した早産
上記に当てはまる方は注意が必要です。
【検査所見】(血液検査)
- 抗カルジオリピン抗体が12週間以上の間隔をあけて2回以上陽性
- ループスアンチコアグラントが12週間以上の間隔をあけて2回以上陽性
- 抗β2glycoprotein Ⅰ抗体が12週間以上の間隔をあけて2回以上陽性 など
上記の臨床所見が1つ以上、
検査所見が1つ以上当てはまった場合、
抗リン脂質抗体症候群と診断されるようです。
また、【抗リン脂質抗体の存在を疑うべき状況】としては
下記のようなものがあります。
・反復流産,習慣流産
・妊娠10週以降の原因不明子宮内胎児死亡
・早期発症,重篤な妊娠高血圧症候群
・妊娠に関連した血栓症
・常位胎盤早期剥離
・子宮内胎児発育遅延
・自己免疫疾患合併妊娠(SLE,ITP,橋本病,バセドウ病など)
・梅毒血清反応の生物学偽陽性
・aPTTの延長
上記はhttp://www.jsog.or.jp/PDF/62/6209-150.pdfからの引用
診断基準をさらに詳しく知りたい方は
日本産科婦人科学会のホームページに掲載されている上記PDFをご覧ください。
診断基準に当てはまらなくても
私の場合「3回以上の連続した原因不明の妊娠10週未満の流産」に類似した状況として
「2回の連続した原因不明の化学的流産」だったため、
お医者様と相談し、抗リン脂質抗体症候群の血液検査をしました。
その結果検査項目のひとつ、
「抗フォスファチジルセリンIgG抗体」の数値が1回目の検査で「1.0」、
二回目の検査で「1.5」でした。
基準値は「1.0未満」なので基準外ということで、
不育症の治療を始めることになりました。
私は2回の化学的流産だけなので、
厳密には「抗リン脂質抗体症候群の診断基準」には当てはまりませんが、
そのような場合でもお医者さんと話し合って不育症の治療をする場合があります。
妊娠のしにくさや年齢は人それぞれで、
次妊娠した時にまた流産した時のダメージも人それぞれ全く違います。
私は抗リン脂質抗体症候群の診断基準には満たなかったものの
お医者さんの判断と私と主人の意向で不育症の治療を始めて、
治療を始めてから1回目の妊娠で出産することができました^^
診断基準と完全に一致しなくても、
類似した状況の場合はお医者さんに相談してみるといいと思います!